押さえておきたい猫の発情期と避妊 。不幸な猫を増やさないために

皆さんは猫の妊娠率をご存知ですか?
交尾刺激によって排卵する猫は、交尾すると約90%の高い確率で妊娠します。
また交尾しなかったメスの発情は、次に交尾をするか避妊手術を行うまで続くことになります。

かつて私は初めて発情を迎えた女の子を妊娠させてしまったことがあります。
急に具合が悪くなり動物病院で診てもらうと、妊娠していることを告げられました。
まだお母さんになる準備が十分整っていなかったその子は、それから間もなく短い一生を終えたのです。小さな命と共にかけがえのない無垢な命を失ってしまいました。

私達は家族である猫たちと仲良く幸せに暮らしたいと願っています。
そのために私たちができることを一緒に考えていきましょう。

猫の発情期の特徴と行動を知る

猫の発情期で一番特徴的なことは、雌猫が雄猫を呼ぶための大きな鳴き声です。
まず雌猫が発情し、近くにいる雄猫はそれに応える形で発情します。
雌猫にリードしてもらう形で後発する雄猫の発情期は特に決まっていないと言うわけです。

では、猫の発情期の特徴と行動を雌猫と雄猫に分けて見ていきましょう。

cc-library010008812vsokc[1]著作者 rampx

雌猫の発情期の特徴

雌猫の発情期には次のような特徴が見られます。

甲高い大きな声(calling)で雄猫を呼ぶ
 人間の赤ちゃんのような鳴き声で、3分くらい続くこともありますが、中には全く鳴かない雌猫もいます。
ローリング行動(rolling)
 マタタビをもらった時のように仰向けになってごろごろしたり、頭や首をすりすりとこすりつけてきます。
尿スプレー
 トイレ以外の場所で排尿し、脂肪性の分泌物で雄猫を誘惑します。
□食欲が落ちる
 食欲がなく始終落ち着かず、やせてしまうこともあります。
□暴れたり、脱走を試みる
□普段より甘えてくる
ロードシス(lordosis)
 雄猫を受け入れるための姿勢で、胸とお腹を床につけてお尻を高く持ち上げ、尾を左右どちらかによけます。この時腰を撫でると反応します。

ロードシス:哺乳類の雌の発情期における反射。 触覚的刺激に対して、脊柱を背屈させる動作。

引用:ウィキペディア

雄猫の発情期の特徴

次は、雄猫の発情期の特徴です。

□大きな声で鳴く
尿スプレー
 起立姿勢で尾を高く上げ、壁や柱に尿を吹きかけます。特有な臭いがあります。
□食欲が落ち、やせる場合がある
□落ち着きがなく外に出たがる
□人間の手首や足首に噛みつく場合がある

発情を迎える時期と周期は?

短毛種は長毛種に比べ早く成熟するため、生後約半年ほどで発情期を迎えます。
個体差はありますが、子猫だと思っていたら最初の発情を迎えていたと言うこともありますので、注意が必要です。

<雌猫が最初の発情期を迎える時期>
●短毛種→生後約6~10ヶ月
●長毛種→生後約12カ月~18ヶ月
早熟な雌猫は4か月齢ほどで最初の発情期を迎える場合もあります。
*ヒマラヤンは最初の発情期を迎えるまでに18ヶ月ほどかかることがあります。

<発情期を迎える季節>
雌猫の発情は日照時間や寒暖に関わるため、室内飼いの猫の場合外猫に比べて期間が長くなる傾向があります。そのため1年を通して発情が見られます。

<発情期の周期と期間>
犬の発情は1年に2回ほどですが、室内飼いの雌猫の場合、3~4週間ごとに発情期が訪れ、期間は約4〜7日間です。

*雌猫の発情は平均21日毎に訪れ、約4〜7日間続く

ぼーちゃん
猫の発情期っていつまで続くのかな?
猫は交尾排卵によって妊娠するため、交尾をするか避妊手術をするまで発情が続きます。
交尾排卵:交尾刺激によって排卵すること。約90%の確率で妊娠する。

発情は次の4つの段階に分かれています。
(1)発情前期(2)発情期(3)発情後期(4)発情休止期

では、発情前期から詳しく見ていきましょう。

発情前期(約1~5日間)

外見から判断することはまだ難しい時期ですが、次のような兆候が見られます。
まだ、雄を迎え入れることはありません。

●ソワソワとお落ち着きがない
●食欲が減る
●尿の回数が増える

発情期(約4~14日間)

雌猫が雄猫を受け入れる交尾の準備が整う時期です。発情の期間は交尾の有無によって次のように異なります。

●交尾した場合→約4日間
●交尾しなかった場合→約5~14日間

*発情開始後、3~4日目が最も交尾が成功しやすいと言われています。

発情後期(1日)

発情後期は、24時間以内にほぼ終了します。この時期の雌猫は、発情前期のように雄猫のマウンティングネックグリップを許しても交尾は拒絶します。

マウンティング:雄猫が雌猫に後ろから覆いかぶさること。ネックグリップ:雄猫が雌猫の 首を咬んで動けなくすること。

発情休止期

発情休止期の雌猫は、雄猫に対し関心がありません。関心がないどころか、雄猫を拒絶し威嚇することすらあります。期間には個体差があります。

妊娠する確率と妊娠期間

雌猫は雄猫の交尾刺激によって排卵(交尾排卵)し、妊娠する確率は交尾をする時期と回数によって異なります。ただし、交尾をしなかった場合排卵は起こりません。

雄猫は生後12か月ごろから繁殖可能

雄猫の発情は、雌猫の鳴き声、行動、フェロモンなどによって誘発されます。
ですから、交尾や生殖自体一年を通していつでも可能であると言えます。

フェロモン:繁殖期に入った雌猫の尿に含まれ、雄猫を惹きつける。
同じ部屋に雌猫がいないのに雄猫が発情してしまうことがあります。
これは、雌猫のフェロモンが空気の流れに乗って広範囲に漂うためです。
この強力なフェロモン・システムは子孫を確実に残すための手段の一つと言えそうですね。

フェロモンには絶対かなわないよ。メロメロにゃぁ~~~♡♡♡

雄猫がいない場合の発情周期

●発情前期〜発情後期:10~14日間(*最初の発情は5~10日間)
●発情休止期:5~22日の範囲
●繁殖周期:春と夏に多く年間2~3回(*室内飼いの場合1年を通して発情が見られる)

排卵率

●発情期初日に1度だけ交尾した場合、約60%
●発情開始から5日目に1度だけ交尾した場合、約83%
発情開始から5日目に3度交尾した場合、100%
(出典:Tsutsui 2009)

妊娠期間

妊娠期間は約60~68日間で 、平均して約63日です。

wallpaper-cat-sleep-photo-10[1]

外猫の繁殖期

外猫の繁殖期は、春から晩夏にかけて次の季節になります。これは寒さの厳しい冬を避けて、生まれた子猫の生存確率を高めるためです。

●1月~3月
●8月~10月

発情期の対策は?

皆さんは路上で車にひかれ横たわっている猫を見かけたことがありますか。
九死に一生を得て今は幸せに暮らしている猫にかつて出会ったことがありますが、現実には目を覆いたくなる恐ろしいニュースが日常的に起こっています。
野良猫たちには悲しい結末が待っていることが多いのです。

「捨て猫をなくす会」のように猫たちの里親探しや避妊・去勢等を懸命に行っているボランティアグループがあります。
交尾すれば約90%の確率で妊娠する猫の場合、発情期の対策はズバリ、避妊・去勢手術をすることです。

雌猫の発情期の対策

では、雌猫の避妊手術について見ていきましょう。

避妊手術はいつ行う?

雌猫の避妊手術のタイミングは生後4~7ヶ月です。
*体重2キロ以上と基準を定めている場合もあるので、費用と合わせて動物病院で確認しましょう。
*手術後もホルモンの関係から軽い発情を迎える場合があります。

避妊手術のメリットは?

子宮癌や乳癌など病気にかかるリスクを下げることができます。
猫の体重や発育状態を考慮し、最初の発情を迎えるタイミングで行うと良いでしょう。

雄猫の発情期の対策

去勢手術はいつ行う?

雄猫の去勢手術のタイミングは生後6~8ヶ月です。
独特の臭いをつける尿スプレーが始まったら、躊躇せず去勢手術の決断をしましょう。
ただし、発情期以外にストレスが原因となっていることもあります。あまりひどい場合は、環境などを見直す必要があるかもしれません。

去勢手術のメリットは?

精巣癌など病気にかかるリスクを下げることができます。
生後半年ほどから手術ができるようになるので、最初の発情を迎えるタイミングで行いましょう。

まとめ

猫の発情期とその対策についてまとめました。
雄猫を誘惑する雌猫。その強烈なフェロモンや交尾排卵など、子孫を確実に残すためのメカニズムは参考になりましたでしょうか。
可愛い猫と暮らし始める前に、ぜひ発情期の特徴を知り、避妊・去勢のタイミングを逃さないようにしたいものです。