高齢猫の死因で一番多いのは腎不全?急性と慢性の症状の違いや治療と予防法

今飼い猫は何歳ですか?最近、痩せてきた、食欲がないし水をやたらに飲むようになったという症状があるなら、腎不全の疑いがあります。腎不全は、高齢の猫が発症しやすい病気として知られています。年をとってからの主な死因の1つです。今回は、猫の腎不全についてまとめてみました。

猫の腎不全とは

腎不全とは、腎臓が壊れて機能しなくなってしまった状態をいい、急性と慢性があります。

引用元:http://peco-japan.com/55225

猫の急性腎不全

急性腎不全は、1日で腎臓の機能が破壊されます。
突然腎臓が機能不全になり、有害な物質を体外に排出できなくなります。何の前触れもなく突然発症する場合があります。

急性腎不全の主な症状

初期の段階では
●食欲がなくなる。
●嘔吐や下痢をする。
悪化すると
●アンモニア臭の口臭がする。
●貧血
●脱水症状
●ショック状態(けいれん)を引き起こす場合もある。
●体温が低下する。
●昏睡状態に陥る

悪化すると尿毒症になります。

急性腎不全の原因は

急激に悪化する可能性が高い急性腎不全ですが、どのような原因で発症するのでしょうか?
●腎臓に異常がある場合(腎性急性腎不全)
細菌性腎盂腎炎などの感染症や毒物による中毒などで、腎臓を構成する糸球体や尿細管にダメージを受けます。
●血流悪化の場合(腎前性腎不全)
腎臓自体に問題はないのに、心筋症による心不全などで腎臓に流れ込む血流が悪化したために生じるものです。
●排尿困難の場合(腎後性腎不全)
排尿が困難になる病気(下部尿路疾患や尿路閉塞)に罹っている場合や、怪我などで尿路が傷つき排尿が著しく困難になって生じるものです。

急性腎不全の治療法

1.基本的な治療

●利尿剤・点滴・透析治療
脱水と電解質などのバランスの改善を行います。尿毒症の原因となる物質の排泄を促します。
●腎後性腎不全の手術
排尿困難の場合は尿路の詰まりの解除や損傷を修復するための手術をする場合があります
2.対症療法
症状を軽減するための治療をします。
高窒素血症の改善には下記のような治療を施します。
●輸液
●ホルモン剤を投与
●腹の中に灌流液を入れて1時間位してから回収する
●血液透析
●窒素化合物を吸着させる薬剤の投与
3.栄養補給
吐き気が治まったタイミングで栄養を補給します。
●炭水化物や脂肪など、タンパク質以外の栄養素を補給
●吐き気が続いている場合は静脈カテーテルを使い補給します
●急性腎不全の原因となっている別の疾病の治療
腎不全の基礎治療と同時に、併発している別の病気の治療も行います。
急性腎不全は、発症後早期に集中治療を行えば、回復する可能性は高くなります。

急性腎不全の予防

●ワクチン接種
子猫の頃からワクチン接種により腎不全につながる細菌感染や尿路閉塞などを起こさないよう予防しましょう。
●食事
●健康管理
味付けの食べものなど人が食べるものを与えない、清潔なトイレを用意するなど、日頃の健康管理が大切です。
●室内飼いの徹底
外へ出ると、拾い食いなどをして中毒を起こしたり、事故にあい、腎臓を損傷してしまう可能性もあります。猫は、室内で飼いましょう。

猫の慢性腎不全は

 高齢の猫の死亡原因の上位にあげられているのが慢性腎不全です。数ヵ月から数年かけて次第に腎臓機能が破壊され慢性的に機能不全になった状態をいいます。ゆっくりと進行するので飼主も気づかないことが多い病気です。なかには、腎臓の75%以上破壊されてから、症状が現れることもよくあります。
明確な年齢別発症率のデータはありませんが、日本ベェツ・グループの推計によると約8歳で約8%、約10歳で約10%、約12歳で24%、15歳以上では30%、つまり3頭に1頭の割合で発症するといわれています。

慢性腎不全の主な症状

慢性の腎不全になった場合の具体的な症状をみてみましょう。
●食欲がなくなる。
●よく水を飲み、よく尿をする。
●腎臓のエリスロポエチンが低下するため非再生性貧血になる。
●X線検査で骨の脱灰と判定される。
●腎臓の大きさが両方ともに小さい場合がある。
●消化器からの出血が認められる。
●全身性高血圧になっている。
●皮膚の栄養の低下のため、傷の回復が遅い。
●尿毒症により、嘔吐をする。
●栄養の不足により、被毛が劣化する。
●水分を排泄できないため浮腫ができる。
●栄養が低下し、疲れやすくよく眠るようになる。
●尿が大量に出て、低カリウム血症となり、歩きふらついてくる。
●便が出にくくなる

慢性腎不全の主な2つの原因は

慢性腎不全に罹る原因は何でしょうか?
●病気を、すでに抱えている場合
尿石症や慢性腎炎、水腎症、糖尿病、間質性腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎などです。
●遺伝が原因の場合
慢性腎不全を発症しやすい品種として、アビシニアンとペルシャがいます。原因は、常染色体優性遺伝だそうです。
●加齢に伴う腎機能の低下
6歳頃から徐々に腎機能の低下が始まり、高齢猫の多くが慢性腎不全の可能性があるとまでいわれています。
●生まれつき腎臓の発育が悪い
正常な腎臓に成長しない腎形成不全・腎遺形成・多発性嚢胞腎等の先天性腎疾患などが原因です。

慢性腎不全の診断方法

慢性腎不全を診断するには、具体的にはどのような方法があるのでしょうか?
1.動物病院で、体重と体温の測定
お腹の辺りを触診します。
2.腎臓の血液検査
尿素窒素(BUN)やクレアチニンを調べます。
この検査では腎機能が75%以上障害されないと異常が現れません。
3.血圧の測定
血圧が高いと、腎疾患が早く進行します。高血圧があれば治療する必要があります。

引用元:http://goo.gl/lC3ZbO

慢性腎不全の治療法

慢性腎不全に対して、具体的にどのような治療が施されるのでしょうか?
●対症療法:.それぞれの症状を軽減する治療を行います。
●心臓への投薬:血圧を安定させる薬剤が投与、腎臓機能の悪化によって高血圧を発症している場合に処方されます。
●ホルモン薬の投与:腎臓で作り出すエリスロポエチンやカルシトリオールが低下した場合投与します。
●食事療法:低タンパク、低ナトリウムの食事を与えます。過去のデータでは、食餌療法を組み入れることで、腎不全の進行を遅らすことが明らかになっています。
素人判断での食事コントロールは禁物です。必ず担当獣医師のアドバイスを元に行い、定期的な検診が必要です。
●腎移植手術
これらの治療法が効かない重症の場合、腎臓の移植手術が行われることがあります。

アメリカでは、1980年代後半から猫の腎移植は行われていますが、日本では、ごく少数の機関でのみ行われています。国内でのドナーの猫は、実験用に飼育されている猫たちです。提供後の猫は依頼者が引き取り、終生飼養します。過去のデータから推察すると、手術による死亡率が「22.5~30%」、6ヶ月生存率は「59~65%」、 3年生存率は「40~42%」となっています。 

慢性腎不全の猫の看護方法は

慢性腎不全の猫をどのように看護するかで、その後の状態が変わります。
●リラックスする環境を心がける。
●水は新鮮で切らさないようにする。
●できるだけ多く水を飲ませる工夫をする。
●睡眠と休息の時間を十分取れる環境づくりをしましょう。
●できるだけストレスがかからない様にゆったりと過ごさせてあげましょう。
●猫の慢性腎不全用の特別食を与える。
●市販のキャットフードの場合は、高齢食や腎臓サポートのフードを選びましょう。
●フードは、N‐3系の脂肪酸を含んだ食事を選ぶようにしましょう。
●不必要に、たんぱく質を与えないようにする。
●トイレは普段慣れた、使いやすいものを清潔に保つ。
●毎日のブラシングを行を欠かさない。
リラックスした環境で十分な休養が取れる環境を作ってあげることがとても大事ですね。

引用元:https://www.alpina-water.co.jp/blog/kihon/3556.html

より早く探知できる検査「SDMA™」

血中クレアチニン濃度を測り、慢性腎不全を見極める従来の検査は、腎臓機能が75%まで低下して初めて血中に出現するものでした。2015年より、ペットの外注検査を受け持つ「アイデックス」(Idexx)が,新しいバイオマーカーの検査「SDMA™」を開始しました。SDMA™は、腎臓がわずか25~40%低下しただけで検査値に現れるそうです。このことにより、従来より約17ヵ月も早く検知できるようになりました。

引用元:http://www.konekono-heya.com/news/2015/february.html

SDMA™に関しては、かかりつけの動物病院に問い合わせください。
要約すると、いかにリラックスした状態を作り出せるかによります。すなはち十分な休養と睡眠が重要です。

慢性腎不全の予防

慢性腎不全の予防も急性と同じように内容になりますが、特に気をつけてあげたいのが、食事と早期発見、早期治療の2点だといいます。

食事の内容に気を配る

●塩分を控え良質なたんぱく質を含んだ食事を中心に与えることがベストです。塩分のある餌ばかりを食べ続けた猫は、病気になったときに処方食を食べようとしません。子猫のときから、適正な食事管理をすることが重要です。
●ビタミンDの摂取量にも気をつけてください。ビタミンDには、腎臓に悪影響を与えるリンの吸収を促す働きがあります。現状、フードの成分表にビタミンDが記載されていないことが多いので、知識のある獣医師に、猫に与えている餌に問題がないかアドバイスを受けると良いでしょう。
●食事に水分を加えるなどして、猫が水を水たくさん取れるようにすることも予防につながります。

引用元:http://item.rakuten.co.jp/dogparadise/4521254005987/

早期発見・早期治療

猫の体の状態を常にチェックするために定期的な検診をおすすめします。7歳を過ぎたら1年に1回、10歳を過ぎたら1年に2回くらいのペースで検診しましょう。腎機能について、認識していない飼い主も多いという獣医師の声もあります。正しい知識を持つことで猫の状態を把握でき、早期発見ができるようになるのだといいます。また、定期健診以外にも、それぞれの猫の年齢やライフステージに合わせた的確な検査することが、病気を早期に発見できます。慢性腎不全は、発症するまで症状が現れにくい病です。病院での定期健診はその点から言っても、有効的な予防法といえるでしょう。

まとめ

猫が罹りやすい病気の上位に腎不全があります。正しい知識をもって、普段からの健康管理に心がけ、病気のリスクを少なくするのが飼い主としてのまずすべき大切な役目ですね。もし罹った場合は、早期に動物病院に連れていってあげることが、次にすべきステップです。そして治療後は予後の状態をなるべく良い方向へ向かうように猫に適した環境を整えてあげることが大切な第3の役目です。その時のシチュエーションに応じて適切な対処をしたいものです。