猫の風邪が人間にうつる?うつる13の病気と注意点

みなさんは可愛い猫たちと日頃どのようにスキンシップをしていますか?
一緒に寝るのはもちろん、口移しで食べさせたり・・・
ちょっと待ってください!愛猫との暮らしは、はたしてそれで大丈夫なのでしょうか?

私は、かつて外猫(雄)の襲撃で網戸を破壊されたことがあります。
外に出てしまった自分の飼い猫(雄)をとっさに抱き上げたその瞬間、左の人差し指を噛まれてしまったのです!
家には私の女友達と彼の奥さん猫と可愛らしい子猫達がいました。
噛まれたのは夕刻で、特に消毒するでもなく水洗い程度でその晩眠ってしまいました。

深夜に吐き気がして目が覚めると、まるでイモムシのように指がパンパンに脹れ上がっていました。
慌てて救急病院に駆けつけ、患部を切開し膿を出してもらうことに・・

傷はかなり深く、もう少しで危うく神経に達するところでした・・・
利き手の指を噛まれなかったことが不幸中の幸いで、リハビリにかなり時間がかかりましたが、なんとか元のように指を曲げることができるまで回復しました。
その時の傷はうっすら残りましたが、「その猫はまだ飼っているんですか。」と病院の先生に言われたことは今でも忘れられません。

ケンカしている飼い猫を抱き上げると言う最悪のタブーを犯したのは私なのですから。

ふだんはおっとりしていたのに、私や家族の猫たちを必死に守ろうとしてくれたそんな彼のことを生涯忘れることはないと思います。

猫の風邪が人間にうつる?

猫の風邪は人間にはうつらない

安心してください。猫の風邪は、人にも犬にもうつることはありません。
猫と人では病原体のウイルスは全く別です。
風邪は気温や湿度が低下する時期に流行するため、同時期に症状が出た場合「うつったのでは?」と感じるのです。
ただし、猫の目ヤニや鼻汁をつけた手で眼に触れることで結膜炎などの感染症を起こします。
また、人にはうつらない猫風邪ですが、外猫に接触した飼い主さんがウィルスをいったん家の中に持ち込んでしまうと、室内飼いの猫に感染しますので注意が必要です。

猫の風邪は予防できる!

猫の風邪はワクチンの接種で予防できます。生後2~3ヶ月になったら、最初の予防接種を行いましょう。

猫から人にうつる病気

ズーノーシス(人獣共通感染症)

人と人以外の脊椎動物の両方に寄生、または感染する病原体によって起こる感染症をズーノーシス(人獣共通感染症)と言います。
下の表は、人と犬や猫の共通感染症とその症状を表しています。

2016y06m03d_104132789出典:環境省公式サイト

3つの感染経路

では、こう言った感染症には具体的にどのような感染経路があるのでしょうか?

感染が起こるには、感染源から病原体が人間に侵入しなければなりません。そのため、感染経路の遮断は、重要な対策の1つとなります。
日常生活において、注意すべき主な感染経路としては、接触(経口)感染、飛沫感染、空気感染(飛沫核感染)の3つが挙げられます。
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引用:https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/disease.html

 
(1)接触(経口)感染 
(2)飛沫感染 
(3)空気感染(飛沫核感染)

以上のように感染には3つの感染経路があることがわかりました。

病原体の種類と感染症の分類

次に猫から人間、または人間から猫にうつる病気の種類ですが、病原体によって次の3種類に大別されます。
(1)ウイルス・細菌系    (2)真菌    (3)寄生虫・ノミ・ダニ

では、ウイルス・細菌系に属する病気から順に見ていきましょう。

【ウイルス・細菌系】

(1)猫ひっかき病

□症状:<ヒト>傷が赤紫色に腫れる。リンパ腺が腫れて痛む。水疱、膿疱、丘疹(きゅうしん)、発熱、頭痛、倦怠感
    <ネコ>不顕性感染(無症状感染)
□感染ルート:咬傷・掻傷(噛まれたり引っ搔かれたことによる傷)
□病原体:パルトネラ菌

丘疹:直径約1cm以下の皮膚にできる 隆起。
不顕性感染:細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない状態をいう。一般に感染しても必ず発症するとはいえず、大部分がこの不顕性感染となる。感染症状は抗体陽性や遅延型過敏反応などで確認される。不顕性感染の人はしばしば保菌者(キャリア)となり、病原体を排泄し感染源となる可能性が高いので疫学上問題となる。
出典:日本救急医学会

猫つめ
http://catstory.exblog.jp/1452883/

(2)狂犬病

□症状:<ヒト>1~3ヶ月の潜伏期の後、風邪様症状、傷口の知覚異常、恐水発作、恐風症、異常行動、錯乱状態、けいれん、呼吸困難、死亡
    <ネコ>1ヶ月程度の潜伏期の後、性格変化、異常行動、異嗜症、咽頭部けいれん、けいれん発作、死亡)
□感染ルート:咬傷(噛まれることによる傷)
□病原体:狂犬病ウイルス

(3)エルシニア症

□症状:<ヒト> 胃腸炎(発熱、下痢、腹痛)
    <ネコ>多くは無症状だが、子猫の場合下痢を起こすことがある。慢性感染に移行すると、間欠的に下痢がみられ、体重が減少する。
□感染ルート:接触、経口感染
□病原体:エルシニア・エンテロコリティカ、エルシニア・シュードツベルクローシス

(4)カンピロバクター症

□症状:<ヒト> 胃腸炎(発熱、下痢、腹痛)、粘血便
    <ネコ>多くは無症状
□感染ルート:経口感染。
□病原体:カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ

カンピロバクター菌はニワトリやウシ・ブタなどの家畜や、イヌ・ネコの腸管内に分布し、人に感染します。特に子イヌは高率にカンピロバクターを保菌しています。潜伏期は2~6日。出典:環境省公式サイト
(5)サルモネラ症

□症状:<ヒト> 胃腸炎(腹痛、嘔吐、下痢、粘血便)、まれに頭痛、高熱、意識低下、けいれん、菌血症
    <ネコ>多くは無症状。胃腸炎(発熱、食欲不振、王と、腹痛、下痢)、敗血症
□感染ルート:経口感染。
□病原体:サルモネラ菌

(6)パスツレラ症

□症状:<ヒト>空気感染:風邪様症状、肺炎。 咬傷:疼痛、発赤、腫脹、蜂窩織炎
    <ネコ>多くは無症状
□感染ルート:唾液(口移しなどによる接触)、咬傷・掻傷
□病原体:パスツレラ菌

パスツレラ菌犬や猫の口中に高率で常在する菌。猫ではほぼ100%。噛まれたり引っかかれたりすると菌が体内に入り込み発症する。 蜂窩織炎(ほうそうしきえん):皮下組織の中を広がる炎症。
(7)カプノサイトファーガ・カルモニサス感染症

□症状:<ヒト>発熱、頭痛、吐き気、腹痛、倦怠感
    <ネコ>無症状
□感染ルート:咬傷・掻傷(噛まれたり引っ搔かれたことによる傷)、潜伏期は1~8日
□病原体:カプノサイトファーガ・カニモルサス(犬や猫などの口腔内に常在する細菌)
猫や犬の口腔内に常在している菌

免疫機能の低下した方において重症化する傾向のある感染症だが、報告されている件数が非常に少ないことから極めて稀にしか発症しないと考えられている。重症例では、敗血症や髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることがある。出典:厚生労働省公式サイト
(8)Q熱(コクシエラ症)

□症状:<ヒト>多くは無症状。風邪様症状(発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛)、不定愁訴(急性型の潜伏期間:2~3週間)
    <ネコ>多くは無症状。時に死・流産。
□感染ルート:感染動物の排泄物、出産・流産時の胎盤などに含まれるコクシエラ菌の吸入
□病原体:Q熱コクシエラ菌(リケッチア)

リケッチアは細菌より小さく,動物の細胞内で増殖し,無細胞の人工培地では発育できない。 発しん性の熱性疾患である。通常は節足動物の腸管に寄生し,ダニ,シラミ,ノミなどによって媒介される。引用:http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5/syoudoku_4-3.html
大半は自然治癒しますが、弁膜症などがある人では急性型から心内膜炎を主徴とする慢性型に移行(10%程度)し、その場合は難治性です。出典:Yahoo!ヘルスケア

【真菌】

(9)皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)・皮膚真菌症・白癬

□症状:<ヒト>円形発赤、水ぶくれ (首、頭皮、腕など)痒み
    <ネコ>無症状、円形脱毛(リングワーム)、かゆみ、びらん(皮膚のただれ)
□感染ルート:接触(毛やフケ)
□病原体:イヌ小胞子菌(犬、猫)

女性や子供が感染しやすい。
皮膚糸状菌症:皮膚にカビが生える病気。免疫の低下や、湿気などで皮膚が弱っていると皮膚糸状菌が侵入し感染する。白癬の感染者は、日本国内で1000万人以上と言われ、このうち毛瘡菌による感染は約28%、イヌ小胞子菌は約1.9%である。菌の種類によっては、検査用のライトで蛍光色に光り、抗真菌薬の使用で100%完治する。イヌ小胞子菌は、イヌよりもネコに広く感染している。

【寄生虫】

寄生虫の分類:人につく寄生虫は、世界では約200種類、日本では約100種類記録されており、原虫と蠕虫(ぜんちゅう)の2つに分類されます。その他に体表に寄生したり感染を媒介するノミ、シラミ、ダニなどの動物(衛生動物)も寄生虫に含まれます。原虫は1つの細胞(単細胞)からできていて、非常に小さく顕微鏡でないと見ることができません。一方、蠕虫は多くの細胞(多細胞)からできていて、人の眼で見ることができる寄生虫です。
2016y06m03d_110542319引用:https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/virus/parasite.html

(10)疥癬(かいせん)症

□症状:<ヒト>手、腕、腹部などの赤斑、激しいかゆみ、丘疹、小水疱
    <ネコ>脱毛、発疹、かさぶた、かゆみ
□感染ルート:接触
□病原体:ヒゼンダニ

(11)イヌ・ネコ回虫症

□症状:<ヒト>眼移行型:網脈絡膜炎、視力障害、視野障害、霧視、飛蚊症。内臓移行型:無症状、発熱、肝腫大、ぜん息発作、関節痛、筋肉痛。
    <ネコ>多くは無症状。下痢、腹痛
□感染ルート:ネコ回虫の場合、胎盤感染は起こらないが、乳汁を通して子ネコに感染する。感染動物の排泄物による。
□病原体:猫回虫(10cm以下の白いひも状の虫)

(12)瓜実条虫症

□症状:<ヒト>無症状、食欲不振、腹痛、軟便、下痢、じんましん、肛門のかゆみ
    <ネコ>無症状、貧血
□感染ルート:口に入ったノミの卵が腸に寄生する。
□病原体:瓜実条虫(ウリザネジョウチュウ)・サナダムシ(50cmの長さになる節のある虫)

中間宿主であるノミの幼虫は、瓜実条虫の卵を食べ成長する。瓜実条虫の卵を食べたノミを猫がグルーミングなどで体内に取り込み、猫の身体の中で瓜実条虫は成長する。猫が米粒のような卵を直接食べても瓜実条虫に感染することはない。
(13)トキソプラズマ症

□症状:<ヒト>後天性感染:無症状。先天性感染:流産、網脈絡膜炎、精神・運動障害、脳内石灰化、水頭症
    <ネコ>無症状
□感染ルート:排泄物による経口感染
□病原体:トキソプラズマ・ゴンディ(原虫)
*妊婦が初感染した場合、胎児に影響が及ぶので、注意が必要。

トキソプラズマ症:加熱の不十分な食肉に含まれる組織シスト、あるいはネコ糞便に含まれるオーシストの経口的な摂取により生じる。眼瞼結膜からも感染する。出典:国立感染症研究所

シスト(cyst):動物、植物、菌類のいずれかが一時的に小さな細胞体や幼生の時に厚い膜を被り活動を停止しているサナギのようなもの。

オーシスト (oocyst) :原虫の生活環におけるステージの1つ。接合子の周囲に被膜、被殻が形成されたもの。出典:Weblio辞書

予防法・注意したいこと

部屋の掃除をこまめにするなど、日頃の愛猫との暮らしの中で気をつけたいことをまとめました。

●猫を外に出さない

外猫の大半がキャリア(ウイルスを運ぶ保菌者)と言えます。外猫との接触や交通事故を避けるためにも、猫は外に出さないように徹底しましょう。

●猫の健康に留意する

定期的な健康診断でワクチンの接種やノミやダニ、寄生虫の駆除を行い、爪は切っておきましょう。

●スキンシップはほどほどに

どんなに可愛くても、キスしたり口移しで食事を与えるなど、過度なスキンシップは避けましょう。猫と一緒に寝るかどうかの判断は飼い主次第ですが、小さな子供やお年寄り、また免疫系統に病気を抱えている人は寝室を別にした方が無難です。

●うがい・手洗いの励行

外出先から帰宅したら必ず石けんを使って手を洗い、着替える習慣をつけましょう。病原体を持ち込まないことが大切です!

●清潔な環境を整える

掃除をしていつも室内を清潔に保ち、通気や換気にも気を配りましょう。

●冷静な状況判断と適切な処置を

私のようにケンカ中の猫を抱き上げるのは論外ですが、身に起こる危険を察知し冷静な判断をすることが大切です。
万が一噛まれたり引っ掻かれたりした場合は、すぐに流水で洗って傷口を消毒しましょう。特に噛まれた場合には病院で診察を受けることです。

まとめ

いかがでしたか?
人と猫に共通して感染するさまざまな病気がありました。いずれの場合も、身体の免疫状態によって感染した際の症状が大きく異なるので、日頃の健康管理が大切ですね。病気によっては、私達の身体に症状が出ても猫には出ない場合があるそうなので、特に注意が必要です。

以前、ペットショップで予約してブリーダーさんから直接家に来た子猫がいましたが、初日に肛門から細長いひも状の虫が出て来てびっくりしたことがありました。
あわてて動物病院で診てもらったところ、先生から「これは条虫だね。」と言われました…

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著作者:Big Ben in Japan

では、健康でハッピーな猫ライフを!